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SUICIDE ALI

『SUICIDE ALI(スイサイドアリー)』という物語をバンドという活動方法で表現している。死への執着、生への執着・・・現実と空想の間に位置する第三世界ファイフィルシーアに混在する様々な物語。突如とし立ちはだかる数々の登場人物、国、種族、アイテム等、貴方はどのような生き様をSUICIDE ALIに記すだろうか。

あらすじ

この広い宇宙（そら）のずっとずっと上、神々が住む神の国、天界（てんかい）と呼ばれた場所があった。天界では光の神々と暗黒の神々が、気の遠くなるほど永きにわたり戦いが繰り拡げられていた。

力の上でも、数の上でも光と陰は互角であり互いに一進一退を繰り返す千日手となり、いわば消耗戦を強いるだけの戦いになっていた。そんな中、光の世界でささやかな祭典が行われようとしていた。神の世界に四人の子供が生まれると言うのだ。神の国では、神の子の事を、天に希望と書き「天希（てんき）」と呼び、その子供を育む器を、願うに希望と書き「願希（がんき）」と呼んだ。早朝から執り行われた祭典の準備は滞りなく行われ、光の住人は白い石造りの祭壇に置かれた「願希」に祈りを捧げた。１日が過ぎ、２日が過ぎ、人々を沈黙が飲み込んでいった。やがて３日目の夕刻も差し迫る頃、最初の願希から白い閃光が空へとあがり、空全体を白く染めた。

最初の天希の誕生である。平和をもたらす知恵を掌る天希がここに生まれた。続いて生きる為の知恵を掌る天希が生まれ、度重なる天希の賜りに、人々は大いに絶賛し、歓喜に満ち溢れていた。そして三人目の天希、生み出す為の知恵の天希もまた、そのように…と思われたが、生み出す為の知恵の願希に異変が起こった。相次ぐ戦乱の中、天希の誕生を願う住民の中に亡命者として潜入し、内部破壊を狙った闇の神・ジャミエルの魔力によってすべては仕組まれた。願希の色は変わり果て、見る見る小さくなり、跡形もなく消え去った。光の住人にとって、それは天希の死を意味した。嘆き悲しむ光の住人を後に、天界を追われた三人目の天希は、紅く変色した願希に閉じ込められたまま、第三世界・ファイフィルシーアに飛ばされ、行方知れずのまま森深くで忘れ去られていった。ファイフィルシーアでは、のちにこの願希を「フムラの匣」と呼んだ。

To Be Continued・・